見上山 光月院
天然寺
〒514-1106
三重県津市久居寺町
1258
TEL:059-255-3603
見上ぐれば 月も今宵は 天然寺
当山は、寛文11年(1671年)の創設で、開山(最初の住職)は身蓮社聖誉上人西傾廓報大和尚(しんれんじゃ しょうよしょうにん せいこう かくほう だいかしょう)です。
所在地である久居(ひさい)は、安濃津の別府として、寛文10年(1670年)に、津城主藤堂高虎の孫にあたる藤堂高通を藩祖とし、五万石の久居藤堂藩として誕生しました。この久居という地名は、永久に鎮居するという願いを込めて名づけられたといわれています。
記録によると聖誉上人は、元地島山天然寺(現津市寿町)の第五世で、住職を40年間勤めた同寺の中興でもありました。その当時、聖誉上人が高田本山専修寺(浄土真宗高田派本山 現津市一身田町)の門跡尭秀大僧正に招かれて浄土宗の教義を講義したところ、大僧正は上人に大いに歓喜して師僧の如く礼侍され、天然寺本堂営建の際に良材を贈ったという記録が残っています。
久居藩主となった藤堂高通は聖誉上人と親交が深かったことから、久居の地に境内地を拡張して本堂、庫裏、書院等を建立し、寛文11年に地島山天然寺より聖誉上人をこの寺院の開山として迎え、久居の天然寺がはじまったと云われています。
そして、当山の「見上山 光月院 天然寺(けんしょうざん こうげついん てんねんじ)」という名称の由来については、次のように伝えられています。
久居藩主の藤堂高通は俳諧を好みたびたび城内で句会を開催していたようで、ある観月の宴の席で、藩主が夜空に輝く月を見て「見上ぐれば 月も今宵は 天然寺」と詠んだそうです。その日同席していた当山第二世本誉上人が、その句を山号と院号に頂戴したい旨願い出たところこれが許され、そこから「見上山 光月院 天然寺」と称するようになったということです。
昭和48年には、この句を刻んだ碑が山門前に建立され、今日も参詣者を迎えています。